明るい無職は農家になりたい

非農家無職33歳が農家を目指す。

激戦!リンゴ農園!~葉っぱ取り編~①

リンゴバイトは就農とはあまり関係ないので番外編。
無職、農家を目指す⑥にてリンゴ農園のバイトに来た無職。
その場所は山オブ山!
目の前に広がるリンゴは見事の一言。
更に作業小屋と言う名のロマンも押し寄せる!
果たして無職は無事に帰ることがてきるのか!?


無職以外70オーバーの仲間達

イカれたメンバーを紹介するぜぇーー!!
まず雇用主スーさん(適当に命名)!
70半ばの農園主、猟友会にも所属するバリバリの猟師だぜぇー!
続いてその兄!スー兄!!
なんと御歳80オーバー!口は悪いが根は優しいんだぜぇー!
最後にウッチャン
スーさんの友人でウィンタースポーツ仲間だ!
歳は70前半だぜぇー!
それでウィンタースポーツとか化け物かー!

というイカれた仲間達。
最年少は無職33歳です。


この辺からあっちまで

リンゴは太陽に当てて赤く色付けるということで、その障害となる葉っぱを取っていく仕事です。
味はあまり変わらないとのことですが、売るためには青いと売れないので重要な仕事なのです。

「じゃ、無職君はこの辺からあっちまで進んでいってね」
オッケースーさん!
黙々黙々。
葉っぱは枝先から逆に手を滑らせて行くとポキポキと良い音をさせてもげて行きます。
これは楽しいぞ!
楽しいぞ!
腕が疲れてきたぞ!
木の一本も終わらないぞ!
脚立の登り下りもあるから足もヘナヘナしてきたぞ!
腕が痛いぞ!
はぁ...はぁ...はぁ...。

死ねるぞ!!!

そもそもあっちまでって、終わりが見えないんですが。
先を見ても木の終わりが見えないんですが。

しかしスーさんもウッチャンもサッサッと先へ進んでいく。
一番若いのに弱音は吐けぬと黙々黙々。
う、腕がもげる。

お昼はラビリンス

スーさんはとても優しく、無職を気遣ってちょいちょい休憩を促してくれた。
そんなこんなで気がつけばお昼。
疲れはするものの、ポキポキという葉のもげる音が気持ち良いのと、作業自体が結構楽しいので時間は早く進んでいくように感じた。

お昼は作業小屋。
ここは有機Aさんの作業小屋と違い、完全に休憩するためのスペースだった。
八畳くらいの畳に大きめのテーブル、そこにストーブや電子レンジ、冷蔵庫にカセットコンロが常備してあった。
わぁロマン。
ロマンの塊やわぁ。

お昼を食べたらスーさんが横になった。
するとウッチャンも横に。

「ほれ、無職君も午後まで眠らい」

ああ、なんて素敵なお昼だろう。
ちなみにリンゴ農家は動物避けに外でラジオをガンガン鳴らしているので、小屋の中でもラジオが聴こえる。
とても心地よい子守唄となった。

ラストスパートだ!無職!

午後からはスー兄が参戦。
スー兄は少し口が悪く
上ばっか見てんなぁ!下見て葉っぱが落ちてねぇとこやれ!など大きな声で怒鳴ってくる。
が、一緒にやってると話好きなようで
「無職君はどこの出身や?」
「リンゴはいくらでもあるから食べていいぞ」
「ほれ、これなんて絶対旨いから食ってみ」

などとチョイチョイ優しくしてくれた。

しかしスー兄の恐ろしいのは、スーさんやウッチャンの二倍のスピードで仕事をこなすことだった。
この頃には馴れてきていた無職も負けじと頑張るが追い付けないどころか身体痛い痛い。
日が落ちてきて終わる頃にはもう全身が確実に筋肉痛になるのが目に見えていた。

仕事は大体九時~四時で終わった。
そして帰る前、積めるだけリンゴ積んでけー、とスーさんは大量のリンゴをくれた。

未だに給料の分からない無職であったが、これにはニッコリである。
もう現物で良いのではないか、と思うくらいのリンゴであった。

次回予告

やっぱり筋肉痛になった無職。
身体が不調になると心も弱るのが世の常。
昨日の満足さはどこへやら、行きたくないで御座る症候群が襲いかかる!

次回

「 ヘタレなので結局行く」の巻

果たして無職は続けることができるのか!?