明るい無職は農家になりたい

非農家無職33歳が農家を目指す。

死闘!リンゴ農園!~リンゴ収穫編~①

ある冬の朝のことです。
前日から降り続いていた雪で外は真っ白、白銀の世界が広がっていました。
無職はそんな光景を見ながら優雅にティータイム。
先日応募した年末バイトが締め切られていて、面接を受ける前に落とされたショックは見せないように心で泣いていました。
すると無職が心から嫌いな音が聞こえてきます、そう、電話の着信音です。

スーさんからのSOS!

無職君...雪が溶けたらリンゴの収穫をやってくれないだろうか?
スーさんから突然の電話です。
リンゴの収穫は本来もう少し先の話でした。
なので無職は短期バイトをしようとしていたんですね。
無職は当然のように言いました。

そろそろ電話来るかなと思って、予定空けてましたよ(キリッ)

お互いWINーWINになるにはハッタリも必要なのです。
短期バイトが締め切っていて暇ですどうか働かせてください、なんて言わないのがクールな大人になる秘訣なので、覚えておいてください。
しかし今回も勤務条件がよく分かりませんでした。
スーさんは慌てているようで、すぐ電話を切ってしまったからです。

スーさん不在

スーさんはまさかの入院してました。
病院からの電話だったので、あまり話せなかったようです。
ふむ、となるとスー兄とウッチャンとか。
と、思いきや、スー兄も本業の方が突然の雪で忙しくなったらしく、不在。
今回はウッチャンとの二人きりです。

リンゴは多少の寒さは平気ですが、-5度を下回ると凍るらしいです。
雪が降るというのは、リンゴが出荷出来なくなる危機が迫ってきているということ。
スーさんがとても申し訳なさそうに電話してきた訳はこれでした。

ウッチャンマジ天使

ウッチャンは大ベテランかと思いきや、ここ数年でスーさんと知り合い手伝っているとのこと。
なので、今回はほとんど素人の二人で収穫することになりました。
素人だけに仕事を任せるとどうなるか。
そう、場の雰囲気はとても和やか~なものになります。
二人とも義務感で頑張って仕事はしますが、プレッシャーが何もないので雑談を交えながらニコニコ仕事を続けます。
とても、とても楽しい。
リンゴをもぐこと自体楽しいのだが、そこにプレッシャー0が加わり70と33のキャッキャウフフ空間がそこに展開される。
オッサンとお爺さんが平和に仕事をしている空間というのは、もしかしたら世界一幸せな空間かもしれないと無職は思うのであった。

次回予告

スーさん不在のリンゴ収穫を無事に終わらせた無職。
有終の美を迎えたリンゴバイト、親族の皆様にお礼と別れを告げ、無職は帰った。
さよならリンゴ、さよならスーさんの一族、そしてウッチャン

次回
「最後じゃなかった」