明るい無職は農家になりたい

非農家無職33歳が農家を目指す。

無職、農家を目指す⑥

山に銃声が走った。

「すげぇ!流石無職さんだ!あの人喰い熊が一撃だ!」

一郎の騒ぐ声が耳に入ってきた。

「馬鹿やろう!よく見てみろ!」

俺が指差す方向を一郎は見た。

「こ、小熊!?まさか、子供を守ろうとして......」

「あいつは人喰いなんかじゃねぇ。ただ子供を守りたかった母親だ」

「そんな、じゃあ、俺達があんなことしなけりゃ」

「そうだ、そうだよ。動物はなぁ、無闇に殺しなんてしねぇんだ。自然の摂理を壊すのはなぁ、いつだって人間なんだ


はい。
そんな、感じの猟師になろうと狩猟免許を取った無職です。
まぁ猟師の話は今回どうでもいいんですけどね!


親睦会に行きたくないで御座る

狩猟免許を取ったら猟友会!
ということで、早速地域の猟友会に入会した無職。
猟友会では猟期の前に、今年の方針の話や新人隊員の紹介などをする親睦会があったりします。
こりゃ行かなきゃいかんだろうなぁ嫌だ嫌だと無職も嫌々参加しました。
何でそんな嫌かって、泊まりなんですよ......。
知らないお爺さん達と一泊二日の温泉旅行。
行きたくないで御座る。
本当に行きたくないで御座る.....

行ってて良かった親睦会

合流してしまえば無職は営業スマイルで精神をゴリゴリ削りながら乗り切ることができます。
しばらく人と会いたく無いくらい疲れますが。

やっぱりゴリゴリゴリゴリ精神が削られていく中、同室の人がリンゴ農家だということが判明します。
縁があれば、と連絡先を交換。
あまり話せなかったので、脈は無いかな?なんて思ってました。
むしろその前に温泉で一緒になったお爺さんに

農家は甘くない!その根性がお前にあるか!まず太りすぎだ!痩せろ!気合いがあるなら従兄弟の婿養子になれ!継ぐんだから並みの努力じゃダメだ!

と説教されていたので、そっちの方から連絡が来るんじゃないかとハラハラしたものです。

すると一月ほど経った時、リンゴの葉っぱを取る作業が忙しいから時間作れないかい?と電話があったのです。
作業は三日程度ということもあり、短期バイトの気分でオッケーの返事をしました。
なお、訛りが強くて時給が何円かいまいち分からず。

突撃リンゴ農家

迷いに迷って自宅へ行くと、まぁね、ふふ、流石農家さんというかなんというか。
家でっか!何世帯住めるんだろう的な感じですよ。

そこからリンゴ農家さんの軽トラで約5分、山の中の中に進むと
あったよ!リンゴ農園があったよ!
こ、これがリンゴ農園!!


次回予告

無職の視界に広がるのは赤いリンゴをこれでもかと実らせたリンゴの木、木、木!!
見たことの無いほどのリンゴに圧倒されながらも、無職はひたすら葉っぱをもぐ!
その先に待つのは筋肉痛か、それとも筋肉痛か!

次回
筋肉痛

無職はいったいどうなってしまうのか!?
(筋肉痛になる)