明るい無職は農家になりたい

非農家無職33歳が農家を目指す。

農業における新規参入者が居抜きをする際のメリット・デメリット

 

立派な鉄骨ハウスの主にオラはなる!!
と夢見たのも束の間、1週間程でその夢は消え去っていきました。

オッスオラ明るい無職!

 

儚い夢でしたが、その夢は明るい無職に「居抜き農地」を使うことの難しさを教えてくれたのです。

 

今回は、居抜き農地を確保出来たら勝ち組になれるのか、というお話です。

 


「居抜きには新規参入者が喉から手が出る程欲しいものが詰まっている」 

 

農家の後継をこせがれ農家、完全新規の非農家を新規参入者と言うらしいですね。

こせがれ農家が持っていて、新規参入者が持っていないものとは

・農業機械
・農地
・設備
・その土地での栽培技術
・その土地での人脈
・販路

とまぁ農家をやるために必要なものほぼ全部と言っても過言ではありません。

新規参入者はその全てを自分で開拓せねばならないのです。
国からの助成金は、それを補うために存在するのです。


助成金はトータル7年、フルで受け取れば計1050万。
プラスアルファで無利子の貸し付けや自治体ごとの助成金があったりしますね。

物凄い大金です。

ですが、それを受け取ってもなお埋まらぬ差が新規参入者には存在するのです。

 

居抜きとは、後継者のいない農地をそのままマルっと借り受けることです。
つまり、こせがれ農家と同じスタートラインに立てる!!!
これは農家を目指すものにとっては夢です。

初年度から生計を立てられる可能性がそこにはあります。
助成金に頼らず農家になれる!!!

しかし、無料より高いものは無い、その言葉をしかと胸に刻んでおかねばならないのです。

 


「居抜き=価値のあるもの」

 

大粒のダイヤがあります。
それを赤の他人に無料で渡すでしょうか?
答えはNOですよね。
家族なら別ですが。

農家にとっての農地、農業設備とは、ダイヤです。
今も使っているなら、それはこれからもお金を生み出し続ける金の成る木なのです。

果たしてその金の成る木を作る場所、技術を他人に渡すものでしょうか。
やっぱり、渡しませんよね。

 

しかも相手は新規参入者、自分の持っている金の成る木を心から欲しいと願う人間なのは分かりきってる事です。
相手か欲しがっているものを自分が渡すのですから、そこには対価を求めます。
その対価は新規参入者が思っているよりも巨大で、底なし沼のようなものかもしれないのです。

 

それは当然の対価です。
長年農業をしている人程、設備を持っている人程、農業で苦労し、悩み、苦楽を共にしてきたはずです。

そんな場所を譲り渡すのです、その対価は物凄いでしょう。
家族以上に家族となり、師匠として礼節を尽くし、それでもなお足りないくらいの対価になる事は請け合いです。

その覚悟が明るい無職にあるかと言われれば、無かったと思います。

 


「居抜きを目指すなら、対価に変わるものを」

 

この人間にならここを任せられる。
大切にしてくれる。
その気持ちが育って、ようやく対価となるのです。

+アルファで、その場所を親族が継がない興味無いと見捨てて困ってる、なども必要ですね。

 

結果として明るい無職は居抜きの話は流れましたが、それで良かったと安心する面が大きくあります。

誰かから話が来たからと言って軽い気持ちで乗るような話では無かったと思います。

 

相手の方がとても話しやすい方で、すぐお互いの求めるものが伝え合えたのは助かりました。

 


「新規参入者の強み」

 

新規参入者は、こせがれ農家にない強みがあります。
それは自由なことです。

作りたい作物を選べ、住みたい場所で農業ができ、師事したい人の元で学ぶことができます。
時間をかけてじっくり動けば、どれも現実的に可能でしょう。

信頼関係の構築されていない人の農地を居抜こうとする、というのは、この全てを捨てる行為です。

しかもこせがれ農家と違い親族ではないですから、くっそ重い対価を要求されるでしょう。

 

そんな訳で、美味しい話かとワクテカした一件でしたが、破局した結果色々考える機会にもなり、自分の意思を再確認することが出来ました。

 


「これからの計画」 

 

まずは学校にしっかり通い知識を身につけ、仲間を作りたいと思います。

その合間にバイトをして農業資金を貯めます。
それでも時間はありますから、あとは農地探しと農家訪問です。

来年は何なら期間工をしてもいいかな、と思っています。
今年作った人脈で、休みの日は就農地候補の場所で農業をしながら。
1年頑張って、更に2年3年頑張ってもいいですね。


期間工ですから年100万以上のペースで貯蓄もできるでしょう。3年で300万〜500万。
さらに数年かけて就農地を探し、信頼を築いていれば盤石です。

38歳独身無職が4年かけて磨いた農業知識と技術を持ち、更に資金500万以上で農業に参入。これぞ盤石!無敵!独身!

独身(๑•́ω•̀๑)・・・

 

で、でも4年後ってもまだ38歳なんですね。ビックリ。

30越すと50くらいまでは、なんだそんな年齢か若いなぁと変な感覚になりますね。

そんな訳で、居抜きが出来るかも、という1週間の淡い夢は明るい無職に様々な思考をもたらしてくれました。
経験に勝る知識なし、ですね。

 

愚者は自分の経験から学び、賢者は他人の歴史を見て学ぶ。なんて聞きますが明るい無職は愚者なので無問題デス!