チュートリアルだよ!無職さん!
実はこっそり誕生日を迎えていた明るい無職です。
子供の頃は歳を重ねるのが楽しくて
途中からただのイベントとなり
成人してからはタイムリミットが迫ってくるようで嫌だった誕生日。
今はと言うと、ちょっと歳を重ねるのが楽しくなってきています。
「歳をとることの楽しさ」
昔は若いという価値を絶対視していたので歳をとるのが怖いものでした。
20はどこの企業も引く手あまた、25で雲行きが怪しくなり、30はもう手遅れ。
そんな感じで歳をとり、今回34歳となりました。
その心境はと言えば、四十路なるのも五十路になるのも楽しみです。
本当に歳とるのは楽しいんですよ。
若さによる可能性を信じてた頃は、とにかく上手くいかなければ嘆いていたし、不平不満も抱いていました。
何より、死ぬのが本当に怖かったです。
え、死ぬと無になるの?
何も感じられなく?考えられなく?何それ怖い。
一方、歳を重ねていくと、若さの可能性は消えますし、その可能性は幻想だったと感じてきます。
すると、上手くいかないことも起きたこととして素直に受け止められるし、不平不満もかなり小さくなっていきました。
死ぬことは怖いは怖いですが、それが自然に訪れる結末なら受け止められる気がします。
これは決してネガティブな、自分なんて歳だしそんなもんさ、という過小評価ではなくて。
どちらかと言うとポジティブです。
ようやく自分で自分の操作が出来るようになった感じと言いましょうか。
「見てるだけのチュートリアルが終わり」
今までの人生はゲームのチュートリアルみたいなものです。
チュートリアルは丁寧で、とにかく長い!
貴方が生まれた世界はこんなんで、こんな風にプレイ出来ますよ。
というのを教えてくれます。
それを見ながら
なんやこのクソゲーは。
選択肢無限とか無茶言うな。
は?こんなんで金取られるんか。
いやいや、詰んだでしょ。
リセット不可能?んな馬鹿な。
この環境からスタートせいとか無理っしょ、もう少しチュートリアルしてよ。
という感じで傍観者スタイルをしていた訳です。
画面にはずっと、ゲームを始めますか?のYES、NOが表示されているのに、見続けていたんですよ。だって自分の人生スタートするとか怖いじゃないですか!
何ならチュートリアルで全クリまで持ってって欲しかったのが若い頃の明るい無職です。
「攻略本を見てみたけれど」
世の中には攻略本が溢れかえっております。
人生を勝ち取る○の方法。
貴方の人生は○が足りない。
○の成功術。
などなど。
読んでいると、ゲームシステムはほぼ同じなので、なるほど、そうすれば上手くいくのか、などと考え、またチュートリアルに熱中します。
ただよくよく見てみれば、その攻略本の主人公は東大卒だったり、一流メーカーに務めるが退社とか、高卒で現在○○という会社を経営とかなってます。
そうです、ゲームシステムは同じでも、操作キャラは全く違うんです。
開始の街も違ければ、モンスターの種類も装備もボスも違います。
そんなんで攻略できるかボケェ( `ᾥ´ )!!
ただ攻略本見るのって楽しいですし、ゲームシステムも同じだから読むのは楽しいんですよね。
「自由度低め」
さて、早速人生というゲームを始めてみますが、驚くほど自由度は低いです。
働く◀ぴっ
「そのコマンドは 選べない」
釣りで遊ぶ◀ぴっ
「少し疲れた もう行かなくていいや」
「今後このコマンドは使えなくなりました」
所持金マイナス3000円。
なんやこのクソゲー......。
しかもこの明るい無職とかいうキャラ、体力1から回復せんやんけ......。
などと進めていると、ある日ふとコマンドが増えていたりします。
家庭菜園◀ぴっ
「とても 楽しかった」
「無職の体力が10回復した」
農業相談◀ぴっ
「未来が 少し見えた気がした」
「無職は自動回復を覚えた」
そうなると、種を植えるとか、Twitterを使うとか、干し芋を作るとか、コマンドがどんどん増えていきます。
スキルも
昼寝好き(昼寝の効果超絶アップ)
ノンストレス(浪費イベントが発生しない)
ブログ(脳内チンパンジーとの遭遇率アップ)
などが追加されていきました。
最初に自由度低めと書きましたが、環境に対応したイベントを進めれば、その方面の自由度は限りなく広くなっていくのです。
「さいごに」
成功のモデルケースが提示される現代は、チュートリアルがとにかく長い!
長すぎるせいで、いつゲームスタートしていいのか分からなくなりがちです。
あとゲームの進め方も、正しいとされるルートから外れるともう分かりません。
ただ、長いチュートリアルをしているとゲームキャラも歳をとっていきます。
歳をとると、何となくですが自分と環境の摩擦に気がついてくるものです。
その摩擦を何となくで流さないで、チュートリアルの終了とゲームの開始を選ぶ時が来たんだと思ってください。
すると思わぬ選択肢が現れ、新しいルートが出てくるかもですよ。
そんなことを思う明るい無職でした。
ちなみにこの記事、最初は「誕生日だよ!無職さん!」というタイトルだったのは内緒です(゜× ゜)