明るい無職は農家になりたい

非農家無職33歳が農家を目指す。

無職、農家を目指す⑦

無職になって約十ヶ月、ついに無職のまま新年を迎えた無職。
明るい無職史上、最長の無職期間達成である。
誇らしい。
無職は思った。
何が誇らしいって、未だに無職生活に飽きていないことだ。
以前の無職ならもう今頃は焦燥感でSNSなんて見れなかった。
だが今は違う!楽しい!毎日楽しいのだ!
途中から家庭菜園にハマったため、貯蓄も何気に生活費しか減っていない。
しかし無職は気がついていなかった。
最近寒いわ雪降るわであまり農活(就農活動)していないことを。
そして新年から風邪を引いたことを言い訳に半引きこもりになっていることを。

そろそろやるぞ農活!

やらなきゃいけないことは色々あった。
まず四月からの身の振り方。
本当に農業大学の就農コースに通うのか。
それと農家になって何を育てたいか。
そして何処で農家をやるか。

子供時代、無職は宿題を最後の日に泣きながらするタイプだったのを思い出す。
流石に俺も成長したもんだと思う。
思うが農業大学就農コースの締め切りはあと二週間後である。
無職は前向きに考えた。
あの頃は親に構って貰いたいのもあり、泣きながら同情を買って宿題をしていた。
ところが今はどうだ。
ちゃんと自分で管理できているではないか。
もう俺はただの無職ではない。ハイパー無職クリエイターだ。
締め切りは二週間前だけど。
そして比較しているのは小学校時代だけど。


就農コースの説明会に行ってみた

無職が通おうとしているのは、県の農業大学が開催する就農コース(一年)だ。
これは初級、中級もあるが、こちらは家庭菜園やスローライフの方向性である。
就農コースは支援金の対象にもなるプロ農家育成コースなのだ。

早速見学を予約をし、突撃する。
現地には無職、そしてもう一人男性がいた。
彼はホッシャン(仮名)、農家の息子さんだという。年齢は不詳だが、無職と同じくらいか少し上だろう。

実際に先生となる人が案内してくれたのだが、所々でホッシャンがプロ的な質問をするので無職は口を半開きにして見ているだけである。
説明会から戦いは始まっていたのだ。
無職も応戦する、が、その姿は完全にピエロであった。
唯一できた質問は

農業に対して無知ですが、最初の第一歩としてこのコースは適しているでしょうか?

というものだった。
しかもこの質問をするために、いかに自分が農業と関わりなく生きてきたかまで語ってしまう大失態である。
久しぶりに自分のコミュ障ぶりを再確認することとなったよ!

次回予告

次回は番外編!
無職が日々考えることを難しく、時に爽快に文章にした哲学思想編。
これを読めば君もきっと明るい無職になれる!

次回「まだ一行しか書いてない」